車のエンジン音ブーン!!!!マシンガンばばばばん!!!爆発音ドゥォォオオオン!!!ハゲ頭とエロい女のケツどーーーん!!!
ワイルドスピード、面白いですよね。観てる間、現実を忘れてバカになって思い切り楽しめる感じ。
「でも、、たまにはわたし、観終わって何だか世界が違って見えるような、人生の考え方に触れるような映画が観てみたいわ。」
そう思ったそこのあなた、おすすめの映画あります。
というわけで今回は、Netflixで最新作「Mank/マンク」が公開され盛り上がっている映画監督、デヴィッド・フィンチャーの作品ベスト3を紹介します!
ネタバレはありません。
目次
デヴィッド・フィンチャーの魅力
世の中、いろんな映画監督がいます。
映画監督にはそれぞれ作品を通じて変わらないテーマやモチーフがあると思うのですが、ゴボウ的にデヴィッド・フィンチャーが掲げているテーマを表すとするならば
「人間という動物の奇妙な生態」
です。
「わたし、趣味はニンゲン観察なんですぅうう。。」
ていうベレー帽かぶった女いるじゃないですか。
あれのもっと鋭いバージョンというか、人間に対して少し距離を置いた視点から、皮肉なユーモアを交えて魅せる作品を撮る人だと思ってます。ダーク版のニンゲン観察バラエティ『モニタリング』って感じです。
そんな作風なので観終わった後、単なる娯楽作品では感じられない余韻というか、実生活での考え方の指針になる哲学が感じられるんですよね。それに共感できる人はとことんハマる。私もそんなフィンチャーファンのうちの一人です。
ゴボウ的トップ3作品
1. ファイトクラブ
あらすじ
自動車会社に勤務しリコールの調査をしている平凡な会社員である主人公「僕」(エドワード・ノートン)は、北欧の高級家具に囲まれた部屋に暮らし、物質的には充足した生活を送っていた。
だが彼の精神は満たされておらず不眠症の日々を送っていた。
そんなある日、「僕」は飛行機でタイラー・ダーデン(ブラッド・ピット)という謎の男に出会う。奇抜なファッション、自由奔放な振る舞い、マッチョな体、そして圧倒的なカリスマ性。「僕」とタイラーは意気投合して飲み交わし、ともにバーを出る。するとタイラーは駐車場で「僕」にある頼み事をする。
「力いっぱい俺を殴ってくれ」
最初はふざけながらもやがて本気の殴り合いを始めた二人は、痛みの中で不思議と生きている実感を感じた。
以後二人だけの奇妙な習慣になった殴り合いは少しずつ他の男たちも巻き込み始め、いつしかメンバー共通のルールのもとで男同士が素手で殴り合う「ファイト・クラブ」へと発展していく。
しかし「ファイト・クラブ」はいつしかその過激性を増してコントロールの効かない状態になっていき、タイラーの言動も常軌を逸し始める。
そんなタイラーと「ファイト・クラブ」を止めようと奔走する「僕」は、ついに衝撃の事実を知ることになる……。
消費社会への強烈なアンチテーゼ
この作品の魅力はなんといっても初めて観たときの衝撃度。それにつきます。
それもその衝撃というのは2つあって、1つはプロット自体のひねりで、いわゆる「衝撃のラスト10分!」的なもの。
もう1つは、作品自体が訴えかけているテーマ。より激しい表現をすると「思想」です。ゴボウとしてはこの「思想」にガッツリやられたタチでして、正直この作品に関しては映画作品というより自分にとっての聖典(バイブル)といっても差し支えないかもしれません。
作品のつくりが明らかに、普通に観客を楽しませようというテンションじゃないんです。
サスペンスとしてのどんでん返し的面白さもあるんですが、「ファイトクラブ」の凄さはあらすじや、何ならがっつりネタバレを見たとしても伝わりにくいと思います。
できるだけ予備知識をいれずに観て、
「なんじゃこりゃぁあ!!!」
とジーパン刑事ばりの衝撃を味わってほしい作品です(古い)
こんな方におすすめ!
- 普通と違う変わった映画を観たい方
- 毎日漫然と生きていて、どこかモヤモヤとした気持ちを抱えている方
- イケメンとシックスパックの腹筋に目がない方(どうかしてるかっこよさの全盛期ブラピが見れます)
2. ゴーン・ガール
あらすじ
ミズーリ州のとある田舎町。結婚5年目を迎えたニック(ベン・アフレック)とエイミー(ロザムンド・パイク)は美男美女のおしどり夫婦として知られていた。
だが結婚記念日にエイミーは忽然と姿を消してしまう。室内には争った跡があり、警察は他殺と誘拐の両面から捜査を開始した。
美しい人妻の失踪事件は全米の注目を集め、ニックもマスコミに取り上げられる。地元住民の協力のもと日夜続けられるエイミーの捜索活動も虚しく成果の上がらない中、次第に夫ニックの不可解な言動が次々と明るみになり、彼は精神的に追い詰められていく。
事件の様相は二転三転していくなか、そこには恐るべき真相が隠されていたのだった....!
こわい。結婚怖い。
周囲から円満に見えた夫婦がその実態は、、、というところがサスペンス的にベタではあるもののとても興味を惹く部分で、映画中盤まではその展開を軸に話が展開していきます。
だがこの映画が本当の意味ですごいのはそこから先。
失踪事件からやがて殺人への嫌疑に変わっていくという特殊な「事件」(ちなみにこの作品は実際にカリフォルニア州で起きたスコット・ピーターソン事件をモデルにしている)の話だと思っていたら、実際のこの作品のテーマは「夫婦」というもっとも身近な他人の話であり、非常に特殊なかたちではあるものの「愛」についての物語なんです。
中盤で起こる、ある視点の転換をきっかけにこの真のテーマが明らかになっていくのですが、徐々に
「あれ、これ思ったより身近な話だ、、、」
と怖さの性質が変容してこちら側に近づいてくる感じがたまらなく怖いんです。
ゴボウは幸か不幸か(?)まだ結婚はしていないのですが、今後の人生ですることになるのだとしたら、先にこの映画を観ておいて良かったです。備えられるので。。
そう思えるほどに、結婚・パートナーとの関係を続けるというのはどういうことなのかを考えさせられる一作です。痺れますよ。
こんな方におすすめ!
- 上質なサスペンスを観たい方
- 少しでも結婚、パートナーとの関係について考えたことのある方
- パートナーに鬱憤の溜まっている方(見ようによってはスカッとする作品かも?)
3. ソーシャルネットワーク
あらすじ
いまや時価総額6000億ドルを誇るFacebook、そのCEOマーク・ザッカーバーグを中心とした創設秘話を、複数の関係者による証言をもとに描き出していく。
ときは2003年。ハーバードに通う冴えない学生・ザッカーバーグ(ジェシー・アイゼンバーグ)は、彼女のエリカ(ルーニー・マーラー)にこっぴどく振られた腹いせに、ルームメイトのエドゥアルド(アンドリュー・ガーフィールド)とともにあるサイトを立ち上げる。
それはハーバードの女子寮名簿をハッキングして手に入れた顔写真をもとに、アクセス者の投票で女子をランキング付けするサイト『フェイススマッシュ』だ。
『フェイススマッシュ』は瞬く間に話題となり、立ち上げから2時間で2万2000アクセスを集め、4時間で大学のサーバーをダウンさせてしまう。ザッカーバーグはこの活動で顰蹙を買い謹慎処分を受けたが、まったく反省はしていなかった。
むしろ『フェイススマッシュ』にそれだけの反響があった理由への興味と、このアイデアを更に発展させることへの探究心に突き動かされていたのだ。
そして、ザッカーバーグは誰でも申請さえすれば社交場を広げる事が出来るソーシャルネットワーキングサイト「The Facebook」を立ち上げ、その規模を着実に拡大していく。
一見、順風満帆に見えたその道のりは互いの目論みや裏切りが交錯し、やがて人としての「犠牲」を強いられるものになっていくのだった、、、
圧倒的スピード感の会話劇
この作品は、すでにfacebookが成功を収めた後の時制から過去を振り返るかたちで物語が進みます。現在の時間軸では主人公のザッカーバーグが複数の訴訟を起こされており、その証言をしていくことで過去が明らかになっていくのですが、この構成の妙が作品の肝です。
というのも、単に過去を振り返るというわけではなく、言葉として出てくる内容と、実際に映像として示されるものに微妙にズレがあるんです。
しかも証言する人間が誰かによってもそのズレは増幅されていて、観ている観客としてはまさに裁判官のように、各人の証言から真実を推察する必要が出てきます。
この会話劇が非常にスリリングで、見ている間常に展開に振り回されるスピード感が味わえます。
それもそのはずこの作品、セリフ量がとんでもなくて、通常のテンポで作ると3時間を超えるところを役者がとんでもなく早口で話すことで無理やり2時間の尺に収めているというのだから驚き。
圧倒的な台詞量によって情報が叩き込まれてくるスピード感と、事実と虚構の間で展開が揺れ動くスリリングさ。
つまりは脚本の巧みさが非常に大きな魅力になっていて、それをフィンチャーの手腕で隙のない会話劇にしている、といったところでしょうか。(脚本を手がけたアーロン・ソーキンの他の作品も「マネーボール」や「スティーブ・ジョブズ」など会話劇の名作揃いです)
こんな方におすすめ!
- 法廷モノなどの会話劇が好きな方
- Facebookの創作秘話に興味のある方
- 友達の少ない方(皮肉にもFacebookフル活用でエンジョイ勢にはあまりオススメできません)
まとめ
ほんとは「セブン」や「ドラゴンタトゥーの女」「ゾディアック」もいいですよー!!なんて書きたいところでしたがキリがないので、今回は泣く泣く3つに絞って紹介させてもらいました!
デヴィッド・フィンチャーはカメラワークや画面構成への異常なほどの拘り、鬼のテイク数を撮る役者泣かせエピソードなど(90テイク以上に及んだことも!)色んな切り口から語ることのできる映画監督です。
少し映画に興味持ち始めた初心者の方でも、とりあえず観てみたら
「なんかこの映画、普通と違う、、!!」
と味わえる作品ばかりですので、軽い気持ちで観てみるのはいいかもしれませんよ。